変数アセット

abstract

名前空間:SilCilSystem.Variables (ジェネリック版はSilCilSystem.Variables.Generic)

継承:VariableAsset

Assembly:SilCilSystem


異なるスクリプト間で変数の値を共有できます。 値の変更が可能なVariable<T>と値の読み取りのみ可能なReadonlyVariable<T>が存在します。

クラス一覧

抽象クラス 役割
Variable<T> ValueでT型の値のset/get
ReadonlyVariable<T> ValueでT型の値のget

Unity2019ではジェネリッククラスをシリアライズすることができないため、 よく使う型については非ジェネリックな抽象クラスを用意しています。 実際のスクリプトでは以下のクラスを使用することになると思います。

Primitive

クラス 読取専用クラス
bool VariableBool ReadonlyBool
string VariableString ReadonlyString
int VariableInt ReadonlyInt
float VariableFloat ReadonlyFloat

UnityEngineのstruct型

クラス 読取専用クラス
Vector2 VariableVector2 ReadonlyVector2
Vector2Int VariableVector2Int ReadonlyVector2Int
Vector3 VariableVector3 ReadonlyVector3
Vector3Int VariableVector3Int ReadonlyVector3Int
Color VariableColor ReadonlyColor
Quaternion VariableQuaternion ReadonlyQuaternion

使用例

例えば、キーを押すたびに値が増えるカウンタを作ってみます。

using UnityEngine;
using SilCilSystem.Variables;

public class TestVariableInt : MonoBehaviour
{
    // 変数アセットをシリアライズしてインスペクタで設定可能に.
    [SerializeField] private VariableInt m_count = default;

    private void Update()
    {
        if (Input.anyKeyDown)
        {
            // キーを押すたびに値を1増やす.
            m_count.Value++;
        }
    }
}

カウンタの値をDebug.Logで表示することを考えます。 値を読み取るだけで値の変更は行わないため、ReadonlyIntを使用します。

using UnityEngine;
using SilCilSystem.Variables;

public class TestReadonlyInt : MonoBehaviour
{
    // 変数アセットをシリアライズしてインスペクタで設定可能に.
    [SerializeField] private ReadonlyInt m_count = default;

    private void Update()
    {
        // 値を表示する. UpdateでDebug.Logすべきではないけど、サンプルなので許して.
        Debug.Log(m_count.Value);
    }
}

インスペクタ上で同じ変数を設定すれば、両者の連携が可能になります。 メニューからint型の変数アセットを作成して設定します。

変数アセットをインスペクタ上で設定する

使用上の注意点

Updateで値をチェックして、値が変わったら何か処理をするといったことをしたい場合には イベントアセットの使用を検討してください。 値の変更が少ない場合には、イベントアセットで実現するほうが良いと思います。 上記のカウンタの例もイベントアセットで実現できます。 イベントを使用する場合はこちらが参考になります。

実装

Variable<T>は抽象クラスなので、具体的な実装を記述していません。 インスペクタ上で設定するアセットはinternalクラスとして実装しています。

最も簡単な変数アセットの実装は変数を1つだけ持つ単純なScriptableObejctです。 例えば、Variable<bool>を継承したクラスならこうなります。

// 使用する際は具体的な型(この場合はBoolValue)を知る必要がないのでinternalで実装.
internal class BoolValue : VariableBool
{
    [SerializeField] private bool m_value = default;
    public override bool Value { get => m_value; set => m_value = value; }
}

読み取り専用クラスの具体的な実装はVariableBoolを参照に持ち、値を返します。

internal class ReadonlyBoolValue : ReadonlyBool
{
    [SerializeField] private VariableBool m_variable = default;
    public override bool Value => m_variable.Value;
}

これら2つを機能させるためには、それぞれのアセットを作るだけでなく、参照関係も設定しなければなりません。 つまり、機能させるには以下の3つのステップが必要です。

  1. BoolValueアセットを作成する
  2. ReadonlyBoolValueアセットを作成する
  3. ReadonlyBoolValueアセットのm_variableに1で作成したBoolValueアセットを設定する

これを変数作成のたびにやるのは面倒なので、エディタ拡張で対応しています。

実際には値の変更を通知するためにイベントアセットも紐づけており、 1つの変数に対して4つのアセットが生成されるようになっています。

これらのアセットをすべて表示するのは煩わしいので、サブアセットにしてHideFlagsを設定することで非表示にしています。 アセットのインスペクタにあるShow/Hideを押すことで表示/非表示を切り替えられます。 細かく参照設定を行いたい場合は表示するとよいでしょう。

サブアセットの表示を切り替える

※変更を反映するにはプロジェクトビューを更新させなければならないようです。この辺り、エディタ拡張でうまくやることができませんでした。


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